公営事業株式会社 講演会『大震災の被害はすべて“水の姿”となって現れた』(10/12)
平成23年10月12日、公営事業株式会社の事業所責任者及び一般社員を対象に、吉村和就(グローバルウォータ・ジャパン代表)先生をお招きして「大震災の被害はすべて“水の姿”となって現れた」をテーマとした講演を行って頂きました。
吉村先生の講演は今回で3回目となりますが、毎回、普段はあまり意識することのないグローバルな視点から「世界及び日本の水事情」について貴重なお話をして頂いております。
今回は、東日本大震災において「水」が巨大津波となって現れ、原発をはじめとする多くのものに多大な影響を及ぼし、半年以上経過した今もなお、まだその影響が大きく残っている事について、大変分かり易く説明をしてくださいました。
此度の大震災はO&Mを専業とする公営事業においても非常に関わりの深い出来事であるため、改めて真剣に考える機会を得られた大変有意義な講演となりました。
公営事業では今後もこのような講演会を継続的に開催していきたいと考えております。
講演会風景 |
2011年10月28日 金曜日
石巻 震災レポート
平成23年3月11日に発生した東日本大震災の現地レポートです。
石巻の港湾地域に津波が到来した際の映像と、震災発生直後および約半年経過後に石巻市内の同じ場所で撮影した写真です。
石巻環境サービス㈱本社前の様子です。3月11日の夕方頃に津波により冠水し、水深約30センチの状態で3日間滞水していました。半年経過した現在では何事もなかったかのような状態になっています。
震災直後 | 半年経過後 |
石巻の中心部にある商店街の様子です。震災当初は道路の至る所に津波で流された車や家具やらが散乱しており足の踏み場もない状況で、その下の地面もヘドロでまみれ、異臭を放っていました。商店街では震災後早々に店を閉めた所も数多くあります。
震災直後 | 半年経過後 |
石巻でもっとも甚大な被害を受けたと言われる地区の一つ、南浜町の海側からの様子です。3月11日の夜、南浜町では大規模な火災が数箇所で発生し、翌朝まで黒い煙が立ち上っていました。津波で破壊された家屋の残骸が山のように折り重なっておりましたが、現在はだいぶ片付けられています。しかし、もとの街並みは見る影もありません。
震災直後 | 半年経過後 |
日和大橋の様子です。地震と津波で削り取られた橋も完全修復されました。
震災直後 | 半年経過後 |
石巻東部浄化センターの様子です。目の前が海という立地のため、今回の津波で甚大な被害を受けました。一時は約10mの高さの津波が押し寄せ、車を濃縮槽の建屋上部まで持ち上げました。現在は早期復旧を目指し、多くの業者が総力を挙げて取り組んでおります。
震災直後 | 半年経過後 |
石巻東部浄化センターから見た日和大橋の様子です。震災当日、橋に並ぶ車に乗っていた方々は前後を水に挟まれ、雪が降り続く中、車内で一夜を過ごしました。
震災直後 | 半年経過後 |
~最後に~
約半年が経過した今、あれだけの被害を被った石巻の町は着実に復旧への道を歩んでおります。それは石巻の住民の力だけではなく、日本全国からの企業やボランティアから送られるたくさんの支援のおかげでもあります。石巻市内でも辺りを見渡せば、未だ復旧の遅れている地域や場所もあります。しかし、私たちは粘り強い根気と地元愛で震災前の石巻市以上に賑わいと活気ある町を作り上げます。それが支援いただいた多くの方々に向けたせめてもの感謝の意になると考えています。
石巻環境サービス株式会社
2011年10月7日 金曜日
株式会社エステム 第21回環境フォーラムを開催しました (6/10)
平成23年6月10日、名古屋市の日本ガイシフォーラムレセプションホールにおいて、第21回環境フォーラム「人工と自然のハーモニー~これからの環境の話をしよう~」が開催されました。
環境フォーラムは、環境についての情報発信と、地域の方々に環境について考える場を提供することを目的として、毎年、環境月間である6月に株式会社エステムが主催しています。557名の参加者を迎えた今年は、人工物による環境と自然環境との調和をテーマに、様々な環境問題の中で幸せに生きるためには環境をどう考えれば良いのか、人工物と環境との調和のためにどのような取り組みがなされているのか、参加者の皆様とともに学ぶ機会を得ることが出来ました。
ロビー | 鋤柄会長あいさつ |
今回の環境フォーラムは3部構成で、最初に「ユーティリティ削減実績報告」として、エステム田原事業部での電力料金低減の為の取組について発表を行いました。
エステム田原事業部では平成19年度から、田原市の公共下水道包括的委託により受託した処理場の維持管理を行なっています。その中で電力消費量およびピーク電力の低減の為に、グリーンウォールの導入と機器の運転時間の見直しを行った結果、および放流水質を維持したまま水処理機器運転時間を削減する試みについて発表しました。
つづいては「統合的な環境像とは」と題して鬼頭秀一(きとうしゅういち)氏より、環境保護の考え方がどのように変わってきたのか、またこれからの環境思想について諫早湾干拓事業などの実例をあげながら講演していただきました。
講演の様子 |
これまでの人の行動は自然を支配するにしても、保護するにしても「確実であること」、「完全であること」を前提として考えられていました。しかし、これからは多くの情報が不確実な中で、「不確実であること」を前提として環境と付き合っていく必要があります。歴史・伝統といった変化しない印象のあるものも、これから関わって行く人々によって創造的に再構築されるものです。また、自然の普遍的特性を求め、それを活用していくのではなく、地域的な特性を考え、その変化に順応していく事の大切さを示していただきました。
最後に建築家の三分一博志(さんぶいちひろし)氏より、「地球のディテール」という題目で氏の作品である『地球の一部となる建築』についてそれぞれの設計の経緯やコンセプトについて講演していただきました。
三分一氏の建築物は電気を極力使用せず、その土地の形状、空気、水の流れと太陽の力を最大限に利用しています。それは同時に、捨てられていた素材や、建築物の建造の際に出る廃材をも有効活用した建築でもあります。デザインも特徴的で美しく、講演中に映されたスライドを見ているだけでも十分に楽しめる講演でした。
一般的な「環境に配慮した建築」とは異なった思想で設計されたその建物は、私たち人と自然の関わりの新しい可能性を見ることができるものでした。
フォーラムにご来場いただきました皆様、ご協力いただきました皆様のご支援を頂きまして盛況のうちに第21回環境フォーラムを終えることが出来ました。次回の環境フォーラムは来年の6月に開催を予定しております。少しでも興味を持たれた方のご参加を心よりお待ちしております。
2011年9月6日 火曜日
石巻環境サービス株式会社 被災時支援活動 (3/15~3/28)
石巻東部浄化センターの状況(建物内部) | 石巻東部浄化センターの状況(最終沈殿池) |
最初に株式会社エステムと緑水工業株式会社の社員で構成した先発部隊が食料、毛布、ガソリン等の物資を携えて3月16日に現地の状況確認を行なった後、3月18日~28日に3回に分けてエステムより支援物資輸送部隊を派遣し、被災直後の生活基盤と水処理の支援を行いました。
輸送部隊が運んだ支援物資は、現地で不足していた生活必需品である、生鮮食品類、赤ちゃん用おむつ、カセットコンロ、ストーブ、灯油、ガソリン等です。さらに、石巻環境サービスが維持管理業務を委託されている石巻浄化センター、石巻東部浄化センターにおいて緊急対応を行う為の発電機およびポンプ等の現場用機材も輸送しました。
エステム本社を出発する支援物資輸送部隊 |
現地に到着した支援物資 |
被災後、速やかに必要な物資を提供することができたので、石巻の現場の方から感謝の言葉が寄せられました。
その後、現場に設置した発電機が盗難に遭うというアクシデントもありましたが、インフラの復旧以降は必要に応じて業務の支援を行う体制を構築しており、GWIAとしてグループ企業および関連水処理施設の復旧に向けての足掛かりを築くことが出来たと考えております。
本格的な水処理施設の復旧には、まだまだ時間がかかりますが、今後も協働体制の強味を活かして復興に向けた着実な歩みを進めてまいります。
2011年8月19日 金曜日
GWIA 災害時等緊急時に関する協定を締結
株式会社アイ・ケー・エス、株式会社エステム、公営事業株式会社、緑水工業株式会社、キュウセツAQUA株式会社の5社で構成するGreen Water Innovation Alliance (GWIA)は、災害発生時における浄水場、下水処理場等の水環境および関連施設の災害時等の緊急時に対する相互の協力体制を図る協定を結んでおります。
本協定は、大地震等の大規模災害発生時に水環境施設が被災した場合等にGWIA構成員が相互に支援活動を行い、早期復旧を迅速に遂行することを目的とするもので、災害御応急処置に必要な技術者の派遣、災害御応急処置に必要な機材・物資の提供、施設および周辺の安全確保のために必要な処置、地域住民に対する支援活動などが予定されています。
2011年8月19日 金曜日